幼児教育に必要な基礎知識|定義や重要性、アプローチを解説
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現代では、ITの普及により今までより「考える力」が求められるようになる、と考えられています。また、少子化や共働きの増加に伴い、保育・教育施設の多様化が進んでいます。
さらに、近年の研究や調査により、脳は5歳頃までに85%が完成するため、この時期にさまざまな良い刺激を与えると脳の発達を促すことが判明しました。
これらの社会背景により幼児教育の重要さが明らかになり、子育て中のパパ・ママを中心に注目を集めています。
この記事では、幼児教育について概要や重要性、アプローチ方法などを詳しく解説しています。併せて、よくある質問に対する回答もあるため、育児中の保護者の方や幼児教育に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
1.幼児教育とは何か

まずは、幼児教育とはどのようなものなのかを解説します。
1-1. 幼児教育の定義
文部科学省によると、幼児教育とは幼児に対する教育を指し、幼児が生活するすべての場で行われる教育の総称であると定義されています。※
日本では、乳児は1歳未満、幼児は1歳から6歳までを指す、と考えられており、幼児教育は0歳から6歳までが対象です。
また、教育と保育は、子どもの成長や発達を見守り促す、という点は同じです。しかし、保育は生活の基礎や社会性、情緒の安定を育むことを目的としており、教育は小学校以降の学校教育や社会生活に向けて知識や技能を習得されることを目的としている、と言う違いがあります。
現在では、保育と教育は切り離すのではなく、「一体的に行うこと」が重要であると考えられています。
1-2.幼児教育の主な目的
幼児教育とは、知識を与えるだけではなく、心身の発達や基本的生活習慣の確立、言語、情緒、社会性の発達をサポートすることを目的とした教育です。特に近年では、「非認知能力」と呼ばれる力をはぐくむことの重要性も注目されています。
「教育」と聞くと、難しいもの、机について行うもの、と連想しがちですが、幼児教育は主に「遊び」を通じて行われ、自信や意欲、根気、忍耐力、自己肯定感など、数字に表すことができない力を育てることを目的としています。
2.幼児教育の重要性

文部科学省では幼児教育の重要性を、「幼児期は心情や意欲、態度、基本的習慣などの生涯にわたる人間形成の基礎が培われる重要な時期であり、幼児期の経験が将来、充実した人生を送るために不可欠である」と述べています。※1
また、幼児期は「何をどのように経験するか」が、その後の学びや人格形成に大きな影響を与える重要な時期だと考えられています。
幼児期の教育が、その後の学校、職業、家庭生活に影響を与えることも実証されており、幼児期に子どもに必要な教育や経験を与えることは子どもの人生を大きく左右するということを認識しておく必要があります。※2
※1文部科学省HP 子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の方向性
※2文部科学省HP 幼児教育をめぐる国際的動向について 秋田 喜代美(学習院大学)
2-1. 幼児期における発達と教育の影響
文部科学省によると、「幼児期における教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」と述べられています。※1
前述したように、脳は5歳頃までに85%が完成するため、人格形成に必要な社会性はこの時期に培われます。
また、親に対する信頼度、安心感、安心できる環境などが整い、情緒が安定すると、人間関係の構築や精神的健康の土台が培われることが、研究でも示唆されています。※2
安定した土台があると、子どもは新しいことに挑戦する意欲を持ちやすくなります。幼児期に適切な教育を行うことは、人格形成に大きな影響を与えるため、重要です。
※23歳までが決め手?:幼児期の発達が子どもの将来を形作る科学的な理由より
2-2. 年齢別にみる教育の効果
乳・幼児期は心身の発達が顕著なため、月齢や年齢により教育が与える影響も異なります。ここでは、年齢別に教育の効果を解説します。
0〜1 歳:愛着形成・感覚刺激の重要性
愛着形成とは、親をはじめとする特定の大人と築く心の絆のことを指します。愛着形成が順当に育つと、安心感や信頼感を得ることができ、情緒の安定や対人関係の土台となるため、大変重要です。
愛着形成は0〜3歳までに築かれますが、言語によるコミュニケーションがほぼ不可能なこの時期では、抱っこやマッサージなどの感覚刺激が効果的です。
また、視覚・聴覚・触覚など、五感を通した刺激が脳の発達を促すことも知られています。
抱っこやマッサージなどのスキンシップは赤ちゃんに愛情を伝え、安心感や信頼感を与えるため、積極的に行いましょう。
2〜3 歳:自我の芽生え、言語能力の伸び
1歳を過ぎると自我が芽生えはじめたり、言語能力が飛躍的に伸びたりするようになります。
自我が芽生えると親のいうことを素直に聞かなくなるため、親は大変に感じますが、子どもの成長に必要・不可欠なものです。
まだ、膨らんだ自分の感情をうまく伝えることができませんが、適切な声かけをすると脳に良い刺激を与え、感情を伝える能力のサポートを行います。
例えば、子どもの気持ちを言葉にして代弁してあげることも、有効な関わり方の一つです。
適切な声かけや接し方については、こちらのコラムで詳しく紹介しています。ぜひ、参考にしてください。
リンク:【1歳児のパパ・ママ必見!】どこまで手助けすべき?1歳児の平均的な発達段階や適切な向き合い方を徹底解説!!
4〜5 歳:社会性の発達・ルール理解・協調性
4〜5歳になると簡単なルールを理解できるようになり、社会性や協調性も発達して、集団での遊びが可能になるでしょう。
創造力も発達するため、ごっこ遊びや創作活動をより楽しめるようにもなります。鬼ごっこなどの遊びではルールを学び、ごっこ遊びでは創造力や役割分担を学ぶことができます。
また、集団で遊ぶことにより、協力や順番の学習が可能です。これらの経験は、小学校以降の集団生活へのスムーズな移行にもつながるでしょう。
5〜6 歳:思考力・表現力、就学に向けた土台づくり
5〜6歳になると幼児期もそろそろ終わりに近づき、4〜5歳までに比べて、さらに複雑なルールの理解や、集団の中での役割分担ができるようになります。
近年では、学習指導要領が10年ぶりに改訂され、暗記重視の教育ではなく、思考力や判断力、表現力、学びに向かう力、知識及び技能などを身に付ける教育が求められています。
そのため、子どもの考える力を育む対応が必要です。「正解を教える」のではなく、「どう思う?」と問いかける関わりが重要になります。
思考力を育むための詳しい方法は、こちらのコラムで詳しく解説しています。
リンク:これからの子どもは思考力が問われる!思考力の重要性や育成方法を詳しく解説!
2-3. 教育がもたらす長期的な効果
幼児教育は、学力の向上をサポートするだけではなく、社会性や自己調整力の育成にも影響を与えます。
社会性を培うためにはコミュニケーション能力が必要で、遊びや家庭での適切な接し方を通して高めることができます。
自己調整力とは、目標を設定し、計画を立て実行したり、結果を振り返って改善点を見つけて調整したりする力で、幼児期の遊びや日常生活の中で少しずつ育まれていきます。
この力が高いほど、学習や仕事をより高いレベルでこなすことができ、将来的には社会的成功や生活満足度に関連する可能性もあります。
世界でも、より良い幼児教育について研究がなされており、代表的なものの1つにハイ・スコープ研究が挙げられます。
ハイ・スコープ研究とは、世界5大幼児カリキュラムの1つです。独自のカリキュラムと指標で子どもの非認知能力を高めることを目標としており、世界10ヵ国以上で取り入れられています。
3.幼児教育の主要な内容とアプローチ

幼児教育の重要性を理解しても、「幼児教育とはどのようなもの?」「具体的にどうしたら良いのかわからない」と不安に思う方も多いでしょう。
そこで、この章では、幼児教育の主な内容とアプローチの方法について解説します。
3-1. 「遊び」を中心にした学び
日本の幼児教育は、「遊び」を通して行われます。子どもたちは遊びを通して、体力や運動能力、自発力、認知能力、想像力を高めます。
また、共同遊びやルールのある遊びを行うことで、社会性や主体性、協調性を育むことができます。
幼児教育における遊びの役割については、以下のコラムで詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
リンク:幼児の遊びが育む力:効果的な遊び方と家庭でのサポート方法
3-2. 生活習慣と社会性の育成
食事や着替え、排せつ、睡眠、身体の清潔などの生活習慣を整えることは、子どもの発達や健康に大きな影響を与えます。
これらの習慣を身に付ける過程で「苦痛」だと感じてしまうと、毎日の生活が辛くなってしまう可能性もあるため、楽しみながら習慣化させましょう。
例えば、食事は会話をしながら行い、着替えや手洗いは、手洗い歌や着替え歌(インターネットで検索できます)を利用する、などの工夫をすると良いでしょう。
また、社会性を身に付けることも、子どもが生きていくために重要です。社会性が乏しいと、人間関係を円滑に築くことが難しくなり、学校や社会生活で苦労する可能性が高くなります。
ボードゲームやごっこ遊び、サッカー、鬼ごっこなどの共同遊びやルールがある遊びは、コミュニケーション能力を高めたり、協力することで社会性を育んだりできます。
一緒に遊ぶことで友だちとなり、さらに深い人間関係の形成を学ぶこともできるでしょう。
3-3. 環境づくり
幼児教育を行う際には、安全な環境づくりも重要です。幼児教育に必要な環境は、「安全な遊び場」「創造力を刺激する環境」「発達段階に合わせた支援」の3つです。
この3つの環境が揃うと、子どもは安心して遊ぶことができ、その結果、期待した教育効果を得ることができます。
幼児教育に必要な環境づくりについては、以下のコラムで詳しく見ることができます。
リンク:幼児教育の環境づくり完全ガイド|家庭でできる工夫とポイント
3-4. 家庭でできる幼児教育のポイント
幼児教育は、教室に通わせることだけではなく、家庭での毎日の関わり方が大切です。
特別な教材や知識が無くても、日常生活そのものが幼児教育の場になります。日常生活に取り入れることで、親も子どももストレスなく行うことができるでしょう。
特に声かけやスキンシップは、親子の絆を深め、子どもとの信頼関係を築くために、重要です。
また、絵本の読み聞かせは、コミュニケーション能力の発達や言語能力の取得、創造力の育成など子どもの発達に大きな効果が得られるため、積極的に取り入れましょう。
図書館を利用すると多種多様なジャンルの本に出会えます。幅広い知識のインプットが期待でき、飽きることなく続けることが可能です。
子どもへの関わり方や効果的な読み聞かせ方については、以下のコラムで詳しく解説しています。ぜひ、ご覧ください。
:0歳児への話しかけには意味がある!0歳児の言葉の発達や効果がある話しかけ方を徹底解説!
4.よくある質問(Q&A)

最後に、幼児教育について、以下のよくある質問に回答します。
4-1「早期教育は本当に必要?」
子どもの可能性を高めたいと思うなら必要です。上記でも述べたように、脳は5歳までに85%が完成します。
そのため、早期教育で5歳までにさまざまな良い刺激を与えると、脳の発達をサポートするため、子どもの可能性を高めることが期待できます。
4-2「習い事はいつから始めればいい?」
一般的には、習い事は3〜5歳から始めると良い、とされていますが、子どもの発達は著しく、個人差も大きくあります。また、脳への良い刺激は0歳から与えることができます。
近年の幼児教室には0歳から親子で通えるものもあり、ジャンルもさまざま用意されています。
子どもに求めるもの、子どもの様子、興味がある分野、などをよく吟味して、始める年齢や内容を選ぶと良いでしょう。
例えば、児童教育の複合型スクール・キッズブレインパークでは、0歳から6歳程度までの多様な幼児教室があります。興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
リンク:キッズブレインパーク
4-3「保育園と幼稚園、どちらが良い?」
保育園と幼稚園は、子どもの発達を支援するという点では同じですが、大きな違いがあります。
保育園は、0歳から入学前までの子どもを対象としており、保護者の就労などにより保育を行います。標準的な預かり時間は8時間ですが、延長も可能です。
幼稚園は、3歳から入学前の子どもが対象で、教育を目的としています。標準的な預かり時間は、4時間です。
また、同様な施設に認定こども園が挙げられます。認定こども園は、保育と教育の両方を目的とした施設で、0歳から入学前までの子どもが対象です。標準的な預かり時間は8時間で、延長も可能です。
どれが良い、というものではないため、環境や状況に応じて、保護者や子どもに合ったものを選びましょう。
5.まとめ

幼児教育の本質は、「子どもの健やかな育ちを支えること」です。難しく考える必要はなく、基本的には日常生活を通じて、さまざまな方法で子どもの発達をサポートすると良いでしょう。
近年では、社会情勢の変化や脳科学をはじめとする医学の進歩により、幼児期の教育の重要さが判明しています。幼児教育は、将来の学力や人間関係、人生の満足度にも影響を与える可能性があります。
それにより、幼児教育はさらに注目を浴びることが予想されます。幼児期は短く、終わってしまえば後戻りはできません。子どもに適した教育を与え、子どもの可能性を広げてあげましょう。