幼児の遊びが育む力:効果的な遊び方と家庭でのサポート方法
幼児にとって遊びは、体力や運動能力、認知力、想像力、社会性などの生きていくために必要な能力を育むために重要なものです。
しかし、「どの遊びを取り入れたらいいのかわからない」「どのような効果があるのか具体的に知りたい」と考える方も多いでしょう。
本記事では、幼児期に遊ぶことによる効果やおすすめの遊び、遊ぶ際のポイント、家庭でできるサポートについて詳しく解説します。
育児中の方やこれから育児が始まる方、子どもにとっての遊びについて興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
幼児期に遊ぶことによる効果とは?
現代では、子どもにとって遊びは学習の場で、成長に必要な要素だと考えられています。成長段階に合った遊びを生活に取り入れると、心身に多様な刺激を与え、発達を促すことができます。
そのためには、遊びによって得ることができる効果を理解して、日常に積極的に取り入れることが重要です。幼児期に遊ぶことで得られる効果には、以下の4つが挙げられます。
・体力や運動能力の向上
・自発力を高める
・認知能力や想像力を育む
・社会性の発達を促す
体力や運動能力の向上
幼児期に色々な運動刺激を与えると、脳内に様々な神経回路がはりめぐらされ、発達するにつれて力加減のコントロールや思ったタイミングで身体を動かす、などの運動能力が向上します。
また、体を動かす遊びには色々な動きが要求されるため、特定の運動をするよりも複雑かつ多様な動きの習得が可能です。
例えば、滑り台では「登る、立つ、座る、すべる」などの動きが要求され、鬼ごっこでは「走る、歩く、避ける、くぐる」などの動きが要求されます。さらに、心肺機能や体力も向上するため、健康な体力作りに貢献します。
自発力を高める
自発力とは、自分の意思でものごとを考えて行動に移す力のことです。子どもは、「遊んでみたい」「やってみたい」などの自発的な気持ちで遊びを行います。
また、公園で友達と遊ぶ際に自分たちでルールを決めたり、遊びの内容を工夫したりすると、自己決定力が育まれます。自分で遊び方を考えると問題解決能力が向上し、自分にはできるという自己肯定感も高めます。
大人は安全に遊べる環境であるかをチェックする必要はありますが、それ以外は可能な限り口出しせずに、見守りましょう。
認知能力や想像力を育む
認知能力とは、言語能力、論理能力、数学的能力などの知的能力のことを指します。パズルや工作、お絵かきなどの遊びは、認知能力や想像力の育成が可能です。
パズルや工作、お絵かきは指先を使うため、脳神経を刺激し脳の発達を促して、学習能力を高めます。また、数学や芸術、自転車や車の運転などに必要な「空間認知能力(大きさや形、向き、位置関係などを素早く捉える能力)」の育成も可能です。
さらに、工作やお絵かきでは、「何を書こう」「何を創ろう」と考えるため、想像力を高めることができます。
認知能力や想像力は、鬼ごっこやボール遊びなどの体を動かす運動でも効果が期待できます。運動をする際には状況判断や思考判断を必要とし、新しい遊び方やルールを考える際には想像力も必要になるからです。
社会性の発達を促す
ボードゲームやごっこ遊び、サッカーなどのボール遊び、鬼ごっこなどの共同遊びやルールがある遊びでは、協力やコミュニケーションの重要性を学び、社会性を育むことができます。
これらの遊びは、ルールを考えたり守ったりする必要があり、「ごめんね」「貸して」などのコミュニケーションを取る必要もあるからです。
幼児の発達におすすめの遊び
子どもにとっての遊びの重要性はわかったものの、「では、どんな遊びを取り入れると効果的なのだろう?」と悩む方も多いでしょう。
この章では、幼児の発達に特におすすめの遊びを3つ、紹介します。
・ごっこ遊び
・工作
・大人数で遊べるゲームやスポーツ
ごっこ遊び
ごっこ遊びは、自分ではない人や立場になりきる遊びです。
おままごとやお店屋さんごっこ、お医者さんごっこ、ヒーローごっこなどがよく選ばれ、好きなお店のオーナーやお医者さんなどの役割を演じることで、自分ではない人の視点に立ってものごとを考えることができます。
また、現実にはない空想のシナリオを考えたり、この人だったらこうするだろう、この後、こうなるだろう、などと考えるため、想像力を高めることも可能です。
はじめは単純に大人の行動をまねして遊びますが、友達や親と一緒に遊べるようになると、コミュニケーション能力や社会性も培われます。
工作
工作は、指を使う遊びです。前述したように、指先は脳に繋がる神経が多くあるため、指先を使った作業は脳の発達を促します。
「何を創ろうか」と考えることで創造力を高め、「創るためにはこうしたらいいのでは?」と考えることで、問題解決能力や手順を考える能力も身につきます。
「工作キッドなど、市販されている材料をそろえないと始めることができない」と構えずに、身近にあるものを利用して、子どもが望んだ時にはいつでも遊べるようにするとよいでしょう。
例えば、空き箱や紙パック、ペットボトルやアルミ缶、トイレットペーパーの芯、新聞紙などを日頃から集めて用意しておくと手軽に遊ぶことができます。
大人数で遊べるゲームやスポーツ
大人数で遊べるゲームやスポーツは、協調性やコミュニケーション能力を育みます。
一般的に、子どもは3歳ごろになるとルールを理解できるようになり、大人数で遊ぶゲームやスポーツを楽しむことができるようになります。
鬼ごっこ、ボードゲーム、だるまさんがころんだ、フルーツバスケット、かくれんぼ、ドッジボール、綱引き、かるたなどの遊びは、友達との信頼関係やチームワークの促進、判断力などを高める効果が期待できるでしょう。
幼児期に遊ぶ際のポイント
遊びには子どもの発達を促す効果が多くあることを解説しましたが、適当に遊びを選んだり遊び方を間違ったりすると、効果を最大限に得られない可能性があります。
幼児期に遊ぶ際には、以下のポイントに注意しましょう。
・十分に体を動かせるように時間を確保する
・様々な動き・感性を養う遊びを取り入れる
・幼児の発達に合わせた遊びを選ぶ
十分に体を動かせるように時間を確保する
文部科学省が発表した「幼児期運動指針ガイドブック」※では、子どもは毎日1時間以上楽しく体を動かすことが大切だと述べられています。
日常的に体を動かすことで子どもは必要な刺激を得て、将来に役立つ様々な能力を伸ばすことができます。
遊びの時間を確保するためには、日常のスケジュールを管理して、毎日のルーティンに遊びの時間を組み込み、遊びの時間を意識して設けることが重要です。
朝、家事が終わったら、天気がよければ毎日公園に出かけたり、地域の運動活動に参加したりし、外に出ることができない時は、室内遊びを取り入れるとよいでしょう。
※https://www.mext.go.jp/component/a_menu/sports/detail/__icsFiles/afieldfile/2012/05/11/1319748_3_1.pdf
様々な動き・感性を養う遊びを取り入れる
子どもの発達を促す要素は多様なため、1つの遊びですべてを補うことはできません。
1つの遊びだけを取り入れていると、特定の能力しか得ることができず、脳の発達も偏ってしまう危険性があります。そのため、遊びのバリエーションを増やして、様々な動きや感性を養うことが重要です。
鬼ごっこや縄跳び、滑り台、サッカーなどのボール遊びだけでなく、自然の中での探索活動や音楽に合わせたダンス、ごっこ遊び、工作、絵画などの室内の遊びなど、まんべんなく取り入れましょう。
幼児の発達に合わせた遊びを選ぶ
幼児期は成長が著しく、年齢や発達段階によりできることが異なります。そのため、発達段階に合った遊びを選ぶことが重要です。
適切な遊びを選ぶと、楽しみながら無理なく基本の動作を身につけ、期待できる能力の発達を促すことができます。
●発達段階別おすすめの遊び
1歳ごろ | ・行動をまねるごっこ遊び ・ボールを追いかける、蹴る ・積み木 ・打楽器を叩く |
2歳ごろ | ・砂場での型抜きや山作り ・三輪車 ・粘土 ・ごっこ遊び ・簡単なパズル |
3歳ごろ | ・ブランコや平均台 ・鬼ごっこ ・工作 ・折り紙 ・リトミック ・誰かになりきるごっこ遊び |
4歳ごろ | ・ケンケンパ ・うんてい、登り棒、鉄棒 ・縄跳び(両足跳び) ・スキップ ・短距離走・障害物競走 ・しりとり ・トランプ ・ストーリーを創るごっこ遊び |
5歳ごろ | ・鉄棒の新しい技 ・ドッジボール ・かくれんぼ ・コマ回し ・ごっこ遊び ・伝言ゲーム ・連想ゲーム ・お手紙ごっこ(友達と手紙のやりとりをする遊び) |
おすすめの遊び道具
遊びは子どもの発達に重要な役割を果たしますが、期待する効果を得るためには、適切な遊びだけでなく遊び道具のチョイスも重要です。
遊び道具を選ぶ際には以下の2つの点をチェックし、クリアしたものを選びましょう。
・年齢や発達段階に合っているか
・素材やパーツの安全性が確保されているか
安全性を重視したい時は、STマーク(一般社団法人日本玩具協会が定めたおもちゃの安全基準となるマーク)の有無を確認するとよいでしょう。
年齢別おすすめの遊び道具
遊びには様々な種類があり、遊び道具も多様です。「どの遊び道具を選んだらよいの?」と悩む方のために、年齢別におすすめの遊び道具を紹介します。
●0歳
0歳時は見る、触る、聞くなどの五感に刺激を与える遊び道具を選びましょう。幼児期の中でも特に発達が著しい時期のため、成長に合わせて細かく適切な遊び道具を選ぶことが大切です。
柔らかい素材で作られたものや、軽いおもちゃを選ぶとよいでしょう。
月齢1、2ヶ月~ | メリージム、ベビージム、ガラガラ(ラトル) |
6ヶ月~ | 布製の本やおもちゃ |
8ヶ月~ | ふたの開閉、音遊び、型はめができるおもちゃ |
メリージムとベビージムはよく似ていますが、マットがあるか、おもちゃが回転するか、音楽が鳴るかの3点が違います。マットがあるのはベビージムで、おもちゃが回転したり音楽が鳴ったりするのがメリージムです。
一般的にはメリージムは新生児〜生後2ヶ月くらい、ベビージムは生後3ヶ月以降の赤ちゃんにおすすめです。
●1歳
1歳を過ぎると手首や指先が発達してくるため、手先を使うおもちゃがおすすめです。
積み木 | ・長く使うならシンプルなものがおすすめ ・年齢に応じて追加できるものを選ぶと合理的 |
パズル | ・型はめの1ピースパズルがおすすめ |
シール | ・何回でも貼ったり剥がしたりできるもの |
●2~3歳
2歳になると指先がより器用になってきます。想像力や創造力、運動機能の発達も著しいため、指先を使うおもちゃや、体を使うおもちゃを選ぶとよいでしょう。
パズル | ・簡単な形状はめパズル ・持ちやすいものやつまみやすい突起が付いているものがおすすめ ・ものたりなくなったら難易度をアップするとよい |
人形 | ・ぬいぐるみやお世話人形 |
おままごと | ・誤飲防止のため、対象年齢をチェックする ・口に入れやすいものはプラスチック製がおすすめ |
楽器 | ・木琴・電子キーボード |
クレヨンやスケッチブック | ・何回も書けるお絵かきボードでもよい |
手押し車や三輪車 | ・手押し車がものたりなくなったら三輪車へ ・三輪車は親が押せるグリップ付きが便利 |
紐通し | ・ビーズ通しでもよい |
●4~5歳
論理的思考や創造力を養うおもちゃがおすすめです。達成感を得たり、戦略を練ったりするおもちゃも楽しめるようになります。
アナログゲーム | ・すごろく、トランプなどのカードゲーム、ボードゲーム |
工作系のおもちゃ | ・工作キットがおすすめ |
パズルや積み木 | ・複雑なものやギミックがあるもの |
お店屋さんごっこ | ・リアリティーが高く本格的にごっこ遊びができるもの ・掃除や赤ちゃん、ペットのお世話体験ができるものもある |
親ができるサポート
最後に、親ができるサポートについて解説します。子どもの能力をより効果的に育むためには、遊びを提供するだけでなく以下の適切なサポートも必要です。
・声掛けの仕方に注意する
・子どもが興味を持つテーマに沿った遊びを導入する
・遊びの時間を楽しむ
声掛けの仕方に注意する
子どもが何か困ったり助けを求めたりした時は、「~しなさい」と指示を出すことは避け、「あなたはどうしたらいいと思う?」と子どもの意見を尊重しましょう。
また、子どもが集中して遊んでいる時は、できるだけ声を掛けずに見守ることが大切です。
子どもが興味を持つテーマに沿った遊びを導入する
どんなに効果が期待できる遊びでも、楽しく遊ぶことができなければ長く遊ぶことができず、よい影響を与えることもできません。
「楽しくない」と認識してしまうと、それ以降ずっとそのテーマに対して苦手意識を持ってしまう可能性もあるため、テーマ選びには注意が必要です。子どもが興味を持つテーマに沿った遊びを導入しましょう。
遊びの時間を楽しむ
親も一緒に遊びを楽しむと、遊びの時間がより充実します。子どもだけで遊ばせるのみでなく、絵本の読み聞かせやゲームを一緒に楽しむなど、親子で遊ぶ時間を設けて一緒に楽しみましょう。
友達を招待して、大人数でのゲームをしたり、みんなで簡単な料理を楽しんだりするのもおすすめです。大人数でのグループ遊びは、社会性の発達に大きく貢献する効果も期待できます。
まとめ
遊びは子どもの成長において欠かせない要素であり、様々な能力を育むための重要な手段です。遊びを通して子どもは、体力や運動能力、認知力、想像力、社会性などの生きていくために必要な能力を身につけることができます。
この記事を参考に、これまで紹介した遊びやアイデアを実際に試すと、子どもの成長を実感し、今まで以上に楽しく見守ることができるでしょう。
また、子ども向けの教室に通うと、子どもの様々な能力を育むことができます。教室により内容が異なるため、そこ子に合った教室を選ぶことが大切です。
児童教育の複合型スクールキッズブレインパークでは、幼児教室やアート、算数など、様々なタイプの教室が用意されています。興味がある方は、ぜひホームページをご覧ください。
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