幼児教育のための環境づくりと実践ポイント!
脳は赤ちゃんから幼少期にかけて急速に発達し、5歳頃までには成人時の85%まで完成します。脳の発達をサポートするためには、この時期に脳にさまざまな刺激を与えることが大切です。
よい教育を行うためには、初めに教育環境を整える必要がありますが、「どのようにすればよいのかわからない」「どこで行えばよいのだろうか?」と不安に思う方も多いでしょう。
本記事では、幼児教育を効果的に進めるための環境づくりと実践ポイントについて詳しく解説します。併せて、おすすめの幼児教室も紹介しているので、育児中の方やこれから育児が始まる方、幼児教育に関心がある方は、ぜひ参考にしてください。
安全で快適な学びの空間を作る
幼児教育を効果的に進めるためには、まず安全で快適な学びの空間を作ることが重要です。
子どもにとっての教育は、机に向かうことではなく、“遊び”です。子どもの脳は、さまざまな遊びを通して刺激を受けることで発達していきます。安全で快適な学びの空間を作るためには、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。
・子どもが自由に動けるスペースを確保する
・安全対策を徹底し、事故を未然に防ぐ
・地域のリソースを活用し、学びの場を広げる
子どもが自由に動けるスペースを確保する
好奇心や興味がおもむくままに自由に遊ぶことは、子どもの脳の発達に大変重要です。創造力や判断力、自己決定力、問題解決能力、ルールを作ったり守ったりする力、他者と平等な関係を築く力など、生きていくために必要な能力を育むからです。
自由に遊ぶためには、子どもが安全にかつ、十分に動くことができるスペースを確保する必要があります。家の中や庭、公園、施設など子どもが安心して遊べる環境を用意しましょう。
家の中では、家具は壁際に設置し、身体を動かすスペースを確保し、写真立てや花瓶などの割れやすいものは片付けましょう。
安全対策を徹底し、事故を未然に防ぐ
子どもが遊ぶ場所は、安全でなければなりません。公園は子どもの遊び場としてかかせませんが、遊具で事故が起こる可能性もあります。高低差や隙間、突起など、思わぬところに原因が潜んでいることもあります。子供目線で確認することも大事です。
室内では、椅子やベビーベッドなどは、角のないものを選んだり、角に保護材を貼ったりして万一ぶつかっても危険がないようにします。また、コップや皿などの割れる可能性があるものは、使用後すぐに片付ける習慣をつけましょう。
安全対策は重要ですが、危険だからと何もかも禁止するのではなく、安全に遊べるようにするためにはどうすればよいか、を考えることも大切です。
例えば、チャンバラごっこは、体力増強や協調性、想像力の向上、ストレス発散が期待できる遊びです。
けがをさせる可能性がある、暴力的だから、と禁止するのではなく、剣を紙製にしたり保護者の管理の下で遊ばせたりすると、安全に遊べるようになります。
地域のリソースを活用し、学びの場を広げる
脳の発達をサポートするためには、さまざまな刺激を与える必要があります。そのためには、家庭で遊ばせる以外に、地域の公園や図書館、博物館など、地域の施設を活用するとよいでしょう。
公園では思う存分身体を動かすことで身体の発達を促し、図書館では本や紙芝居を借りて読み聞かせをすることで、言語能力や知能の発達を促すことができます。博物館や美術館では、知的好奇心が刺激され、学ぶ意欲が高まり学力の向上につながるでしょう。
また、地域のイベントやプログラムに参加すると、異年齢の子どもや親、親戚以外の大人と接することができます。その結果、さまざまな価値観を学んだり、コミュニケーション能力が発達したりする効果が期待できるため、積極的に利用するとよいでしょう。
地域のイベントやプログラムは、以下の方法で探すことができます。
・お住まいの市町村のホームページを見る
・インターネットで検索する
・幼稚園、小学校、商店街の掲示板を見る
・地元の公共施設の案内
・回覧板を見る
創造性を刺激するアイデアと道具
子どもは、遊びの中でさまざまな工夫をし、楽しみながら創造力を培います。創造力とは、「新しいものを自力で作り出す力」のことで、子どもが生きていくために重要な力です。
※リンク
創造力は子どもの将来を左右する?定義や必要な理由、創造力を養う方法を徹底解説!
遊びを通して子どもが身に付けていく力の1つですが、以下のような親の手助けがあると、より身に付けやすくなるでしょう。
・多様な素材や道具を用意する
・子どもたちの興味を引く課題を提供する
・新たな視点で考える機会を増やす
多様な素材や道具を用意する
創造力を培うためには、さまざまな素材に触れることが重要です。高価なものや手に入れにくいものを用意する必要はありません。以下のような素材を用意すると、子どもは好奇心のおもむくままに創造力を高めることができるでしょう。
紙とクレヨン | 書いたり消したりできるボードを用意してもよい |
粘土 | 口に入れても安全な小麦粉粘土がおすすめ |
ブロックや積み木 | 長く使いたい場合はシンプルなものがおすすめ |
廃材 | 空き箱や紙パック、ストロー、ペットボトルやアルミ缶、トイレットペーパーの芯、段ボール、新聞紙など |
折り紙 | えんぴつやはさみも用意するとより創造の幅が広げやすくなる |
また、自然を探検して持ち帰った石や落ち葉を使った工作や、料理やガーデニング、リトミック(音楽やリズムに合わせて身体を動かす教育方法)も、創造力を高める効果があります。
子どもたちの興味を引く課題を提供する
子どもの発達は著しく、年齢によりできることが異なるため、年齢に応じて子どもたちの興味を引く課題を用意することも重要です。
例えば、絵本の読み聞かせでは、年齢が低いうちは読みながら「赤い花がきれいだね」「これはオオカミかな」などの声かけをします。年齢が上がってくると「この犬はどういう気持ちなのかな?」「この子は何をしているのかな?」など、想像力を働かせる答えが必要な声かけをするとよいでしょう。
また、「どうしたらもっと面白くなると思う?」「あなたならどうする?」などの声かけをすると、問題解決能力を育むことができます。
新たな視点で考える機会を増やす
上記で解説したように、想像力を養うためには、日頃から家庭でさまざまな素材に触れたり音楽や料理を楽しんだり、自然探索などを行ったりすることが大切です。
しかし、それだけを続けていると刺激を感じにくくなり、視野が狭くなる危険性があります。
地域のイベントに参加すると、異年齢の子どもや知らない大人と接することで、異なる価値観に触れることが可能です。
また、博物館、美術館、映画、お芝居、コンサートなどに行くと知識の幅が広がり、新たに好奇心をくすぐられて、「もっと知りたい、やってみたい」と学習意欲も高まるでしょう。
身体を動かせる遊び場の重要性
子どもにとって運動は身体や精神の発達に大きな影響を与えるため、重要です。心肺機能や筋力、骨などの成長にかかせないだけではなく、以下に挙げる能力の育成にも役立ちます。
状況判断や思考判断 | 周囲の状況を判断し、その場に応じた動きを考える際に育まれる |
認知能力 | どのような行動を取るべきか、と考えることで認知能力が育まれる |
想像力 | 新しい遊び方やルールを考える際に育まれる |
ごっこ遊び、サッカーなどのボール遊び、鬼ごっこなど | 協力やコミュニケーションの重要性を学ぶことで、社会性が育くまれる |
また、身体を使った遊びを日常に取り入れると、おとなしく運動するよりは部屋で本を読んだりおままごとをしたりする方が好きな子どもも、ストレスなく運動できます。
●おすすめの遊び
寝る前に布団で前転をする | ・バランス感覚が身に付く |
親子でヨガをする | ・身体能力が養われる ・集中力、記憶力、創造力が身に付く |
廊下をアニマルウォーキング(四つ足であるく)する | ・体幹を鍛え、いろいろな身体の動かし方が身に付く |
ダンスパーティをする(音楽に合わせて踊る) | ・基礎体力の向上 ・表現力、想像力がアップする ・リズム感が身に付く |
家庭と教育現場の連携で学びを深める
幼児教育を効果的に行うためには、家庭と教育現場の連携を密にすることも重要です。この章では、学びを深めるために必要な以下の3つのポイントについて解説します。
・園や教室と情報を共有する工夫
・ 日常生活の中でできる教育的アプローチ
・家庭学習の質を高めるヒント
園や教室と情報を共有する工夫
園や教室の教育者との情報共有は、幼児教育を効果的に行うために重要です。教育者とのコミュニケーションを密に行うと信頼関係が増し、お互いの要望や情報が把握できてよりよい教育を行うことができます。
連絡帳がある場合は、連絡帳を必ずチェックし、要望や連絡したいことを記入しましょう。
連絡帳がない場合は、書面やホワイトボードなどの掲示板をチェックしたり、送迎の際に直接、担当の先生に伝えたり、手紙を渡したりするようにしましょう。
先生は複数人との連絡を取る必要があり、保護者は働いていて忙しい方が多いため、連絡は必要なことをわかりやすく伝えることが大切です。
日常生活の中でできる教育的アプローチ
子どもの学びは、机に向かって行うのではなく、日常生活の中で行います。
例えば、料理を一緒にすると、計量や料理の手順を学ぶことで記憶力、集中力、忍耐力、創造力などを培い、会話をすることで、コミュニケーション能力や思考力を培うことができます。
また、読書やテレビ、インターネットの情報を通して、さまざまな知識を得ることが可能です。
外出先では、「○○はどこにあるかな?」「これは何だろう?」と声をかけることで地理や観察力、思考力を養います。乗り物に乗ったり買い物をしたりする際には、お金の使い方や価値を学ぶことができるでしょう。
家庭学習の質を高めるヒント
近年では、幼児を対象とする通信教材が多くあります。0歳から利用できるものや、タブレットを使用するもの、小学校の勉強につながるものなどさまざまな種類があるため、子どもの発達段階や興味がある分野のものを選びましょう。
親が学ばせたい分野のものでも子どもに興味がないと、学ぶことが嫌になる可能性があるため、教材を選ぶ際には注意が必要です。
幼児教育は、子どもの好奇心を大切にすることが重要です。手に取りやすい場所に図鑑や絵本を置くと、子どもの興味を引き出すことができます。カレンダーや時計を一緒に見ると、曜日や時間の感覚をスムーズに身に付けることができます。
家庭では行うことが難しいと思われる刺激を与えたい場合は、幼児教室に通わせる方法もあります。近年では、さまざまな種類の幼児教室があるため、子どもに合ったものを選ぶことができるでしょう。
まとめ:幼児教育を支える環境づくりは、今すぐ始められる
幼児の学びは遊ぶことから得られます。そのためには、まず環境を整えることが重要で、よい環境を整えると、子どもは安心してのびのびと遊ぶことができます。
よい環境づくりは、難しいことではありません。少しの工夫や注意で作ることができるため、この記事を参考にチャレンジしてみてください。
さらによい環境を与えたい場合は、幼児教室の利用がおすすめです。幼児教室には、さまざまな種類があるため、子どもに合ったものを選びましょう。
児童教育の複合型スクールのキッズブレインパークには、以下の教室を始め、年齢や発達段階に応じたさまざまな教室があります。
興味がある方は、ぜひリンク先のホームページをご覧ください。
kubotaのうけん (0~2歳児向け) |
生後2ヶ月から月齢ごとに発達に合わせた育脳教育を行う教室。赤ちゃんではなく、パパ・ママが育児法を学びます。 |
アタマGYM (3~6歳児向け) |
前頭前野を鍛え、思考力を楽しく身に付けるカリキュラムが組まれている教室。思考力や創意工夫する力、コミュニケーション能力を育みます。 |
りんご塾 (年中~小学生向け) |
算数が好きな子どものための教室。個別指導で算数的思考力や諦めない力、集中力を育みます。 |
アトリエ太陽の子 (3歳~小学生向け) |
「うまい」「へた」にとらわれず、自由に自分を表現できる教室。1人ひとりの想像力を大切にして個性を伸ばします。 |